玄海原発2号機の廃炉が決まった。
東日本大震災以降これで21基目である。
しかし…違和感を感じるのは、危険性・安全性云々よりも、経済的に見合うかどうか?という観点で物事が決まっている点である。
命か?金か?
そういう観点から見れば、当然命の方が重い…
命を重んじれば、もう原発は止めにするべきだろう。
そこを理解せずに、再稼働(増してや新増設)…愚の骨頂である。
以下、朝日新聞から引用
九州電力は13日午前の取締役会で、玄海原発2号機(佐賀県玄海町、出力55万9千キロワット)を廃炉にすることを決めた。
午後には立地自治体の佐賀県や玄海町に報告する。
東京電力福島第一原発の事故時、国内には原発が54基あり、その後、20基の廃炉や廃炉方針が決まっている。
今回で21基目になる。
複数の九電幹部によると、原発事故後の新規制基準で求められたテロ対策施設を建てるための土地の確保が難しいことが響いた。
玄海2号機は原発事故の直前に検査のために運転を停止、そのままになっていた。
2021年3月に原則40年の運転期限が迫り、九電は運転を延長するか、廃止にするかを検討していた。
運転期限を延長して再稼働する場合にかかる巨額の費用に見合う経済性も見込めない状況だった。
2千億円規模の安全対策の費用がかかるとみられるが、玄海2号機の出力は約56万キロワットと小規模で、再稼働した3、4号機の半分に満たない。
九電は15年に同じ出力の1号機の廃炉を決め、すでに作業に入っている。
運転期限が迫って延長が認められた原発は国内では4基のみで、いずれも80万キロワット以上だ。
電力需給の面でも玄海2号機を動かす必要性は高くなかった。
販売電力量はピークの07年度に比べて17年度は1割以上減った。
一方、九電管内では昨夏までに原発4基が再稼働し、太陽光発電の導入量も急拡大している。
今年中に100万キロワットの石炭火力発電所が稼働する計画もある。
玄海2号機は1981年3月に運転を始めた。
運転開始から40年を超える原発は、原子力規制委員会の審査を通れば一度だけ、運転を20年延長できる。
運転を延長する場合、九電は20年3月までに規制委へ申請する必要があった。
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〈玄海原発〉 87万平方メートルの敷地に加圧水型炉(PWR)の全4基があり、1号機(出力55万9千キロワット)は1975年に、2号機(同)は81年に運転開始。
94、97年に運転を開始した3号機(出力118万キロワット)と4号機(同)は、東日本大震災後にそれぞれ再稼働した。
1号機は2015年に廃炉が決定している。
蛇足ながら…
3.11直後に、「老朽原発はなぜ危険なのか?」を論じた投稿をしたので、リンクを貼っておく